書籍名: 困った患者さんにどう活すか
     診療室の行動科学 ―成人へのアプローチ編―
成人の口腔疾患は、発病も予防も患者の行動に左右される面が大きく、疾病を治し予防する力は、あくまで患者自身の保健行動にあります。そのため、日頃の診療において保健指導は、重要なポイントとなります。しかし、成人の保健行動は、心理と態度面が行動と一致しないことがしばしばみられ、医療者側は患者を「難しい患者」「困った患者」として捉えがちです。それを良好なものに転換するひとつとして、行動科学の視点から患者への対応を見直していくために作られたのが本書です。

本書は、わかりやすく行動科学を学び、身につけ、実践できる入門書として工夫されています。各章の構成は、成人患者への説明や保健指導の場面でしばしば経験される難しい事例を選び、その事例に行動科学の視点から解説を試みました。また、各章末に記載した「行動科学の目」では、その理論の解説と事例の意義を簡潔にまとめています。

これから開業する臨床経験の比較的少ない歯科医から、経験年数の多い歯科医にも何らかのヒントが見いだされると思います。さらに、歯科衛生士の研修テキストとして活用することも可能な一冊です。
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