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2007年05月14日

各RT総括と閉会(2006.9川崎OPH)

各RTの総括を中村(G)先生にお願いし、きびしい突っ込みに一同が息をのんだ。それぞれのセクションでの問題点や今後の展開などの意見も出され、身近な問題としてそれぞれのRTが参加者の今後の日常に生かされることと期待する。RT総括終了後、ウェルビーイングの代表理事の西本先生より仲間づくりの素晴らしさの話で涙の閉会。最後に次回のオープンプラットホームイベント開催地である関西WCの文元先生にバトンタッチして次につづく・・・オープンプラットホームに更なる期待を・・
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↑総括時の模様

オープンプラットホームイン川崎終了後、すぐに反省会が開かれた。情熱に溢れた状態での反省会は疲労を感じさせない物であった。来年に繋げる為のエッセンスを共有できたと思う。
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↑反省会の一コマ

本当に楽しかったイベントである、今後も多くの方が気軽に参加できるスタイルで続けていけると思う。
余談ではあるが、今回のイベントでKWCの先生方と初めてゆっくりとお話させて頂いたのだが、本日原稿の締め切りまでに、三回お会いする機会を持っている。オープンプラットホームから仲間づくりが広がった実感を得ている川崎大志会である。

(編集:川崎大志会 大持 充)


RT5・歯科衛生士の可能性『はじめの第一歩~歯科衛生士全員集合』

「はじめの第一歩~歯科衛生士全員集合」と題して8名がテーブルを囲みました。参加者は幅広い年齢層の歯科衛生士(DH歴6か月~30年)が6名、Drが1名、そしてウェルビーイングの岩井さん、とてもバランスのよいメンバー構成で、リラックスした雰囲気の中はじめることができました。

自己紹介のあと、赤井より歯科衛生士として地域の子育てサークルで行った活動について話題提供させていただきました。子育て経験のないDHにとって、最近の親子を見てどう感じる?と話し合ううちに「母親教室を行なって、お母さんたちとの信頼関係ができた」「聞いているだけで安心して帰っていくお母さんがいる」との発言がでてきました。不安がいっぱいのお母さんにとっては、まずは聴くこと、話しやすい場をつくることが重要! 子育て経験の有無にかかわらず「聴ける」DHがいることが来院しやすい歯科医院への第一歩! すばらしい気づきと感じました。また、歯科医院をかわったDHからは「院長のいわれることだけをこなしていた職場から、院内ミーティングなどで自分の意見を聞いてもらえ、やりがいをもって仕事ができるようになった」(DH歴6~7年Dさん、Tさん)との発言もあり、共有する場と雰囲気がDHのやりがいに大きく影響することがわかりました。いろんな気づきを話すことができ、お互いに学ぶことがたくさんありました。働く場も経験年数もさまざまな歯科衛生士が、自分の思いや考えを自由に言えて聞いてもらえる場がたくさんでき、それが繋がっていけば、歯科衛生士の可能性はどんどん広がっていくのではないか!!と感じられたセッションでした。
(担当者より一言)今回の企画から、「繋がり、広がり、深まっていく」“長年の付き合い”という仲間をいっぱい育んでいけるような場づくりを一緒にしていくことができたら嬉しいです。(赤井)
ピカピカDH1年生さんより「歯科衛生士を続けていきたいと思えた」の感想に、30年続けてきたDHは痛く感激したのでした。(中村)

Rt4・2次元マッピングを使った歯科の健康教育における児童の気づき

『2次元マッピングを使った歯科の健康教育における児童の気づき』
 話題提供:松岡奈保子 進行役:久保田賢一 

 スケジュール
1. RT議題説明
2. 参加者自己紹介
3. マッピング体験
4. 学校でのマッピングの実際をCDで視聴
5. マッピングにおける児童の気づきについてディスカッション
6. マッピングの応用、発展について意見交換

 小学校4年生に実施した2次元マッピングを使った歯科の健康教育の「気づき」についてディスカッションすることが目的で松岡先生に話題提供して頂いた。RTには2次元マッピングの開発者の守山先生(福岡大学公衆衛生学教授)にも参加いただき広くマッピングについてディスカッションを深めることができた。
また、学校だけでなく、他の場面(例えば診療室)で応用し、結果に結びつけていくことについてディスカッションできた。

・学校歯科健康教育での応用について
2次元マッピングは自分で見て気づきが深まるだけでなく、友達と話したり、見比べることでさらに「気づき」が繋がる。出来たマップを家庭に持ち帰ることで、保護者にも気づきが広がり、保護者と家庭でも交流ができた。さらに養護の先生との交流へつなげることができる。拡がりを期待できることが分かった。児童において起きた「気づき」から、疑問が出たら、我々専門家が介入する。即ち、学習援助型の健康教育を実践することができることも話し合われた。

・診療室での応用について
診療室で行うには、場所や時間の制約という困難があるという意見も出た。しかし、その場合も家庭で行ってもらい、記載したマッピングを診療室で見る方法もあることが解決法として示された。そして、子どもが今までの定期健診で実施していた指導をどう理解しているかを子どもの作ったマップを確認することで我々も「気づき」が起こるきっかけとなることが話された。

RT3・なぜ、歯科健診を受ける成人が増えたのか

なぜ、歯科健診を受ける成人が増えたのか
発表者:文元 基宝先生(KWC)
ファシリテーター:桝本 雄次先生(川崎大志会)

まずファシリテーターの桝本先生から「楽しくしましょう」「それでOKです」との挨拶から、あらかじめ用意してあった「缶ビール」での乾杯から始まった。
そして、自己紹介。その後、私と歯科衛生士吉田弥代が今回のテーマの発表を行った。
概要は、以下の通りです。(桝本先生にバトンタッチします)

佐々木先生の論文から、一般に成人が歯科健診を受診することは、健診後にポジティブな結果期待感を感じられないこと、またはポジティブの結果期待感の欠如が示唆された。この仮説から文元歯科医院では来院者の結果期待感を把握する必要を感じ、H15年より院内オリエンテーションにおいて患者の「結果期待感」を知る時間を新たに設けた。この取り組みにより来院者の結果期待の分析と、健診受診者数との関連性を調査した。

H17年までの結果から院内オリエンテーションによる医療者との交流によって、患者は潜在していたニーズに気づいたり、表面化した結果、受診行動の結果期待感やメリット感が高まったことが示唆された。合わせて受診に伴う不安感も緩和され、継続受診に良い影響を与えたものと考えている。3年間くらい健診受診が継続すると、ライフスタイルとして定着している。
以上のような発表があり、論点「ヘルスプロモーションを推進する為の開業医の受け皿機能」が提示された。
 
 参加者のディスカッションは、院内オリエンテーションシステムについての質疑応答からはじまり、中断してしまった患者さんに対しては「予約をうっかり忘れてしまった方」もいるため出来るだけ早く連絡をしたりするなどのフォローをしてあげることが必要ということ。また歯科医院自体で共通の理念を持つことが必要であり頻繁なミーティングを行うことが大切である。など、多数の意見が出された。
参加者は、定期健診率の増加を目指している方、すでにシステムが確立している方、まだ予防に取り組んでいない方など様々な属性であった。
活発な意見交換はあったが、「開業医の社会的役割」についてまでは、議論は進まなかった。
しかし、それは今後の課題として次につながるような「楽しい」ラウンドテーブルセッションであった。
(文責:川崎大志会 桝本 雄次)

RT2・さよなら産業歯科保健;これからはウォープ

さよなら産業歯科保健;これからはウォープ(WOHP: Worksite Oral  Health  Promotion)
発表者:筒井昭仁先生(福岡歯科大・ウェルビーイング)
ファシリテーター:星岡才賢先生(OP21st.)

【筒井先生の話題提供】
 歯科検診のみを重視した従来型の産業歯科保健を否定し、健康増進法に則りHealth Promoteすべく新しい考え方を提唱していただいた。詳細は後日クィントより発表される。
【ディスカッション】
日々の診療で会社勤めの患者さんが多いことから、近隣の会社に口腔保健活動で貢献できることはないかとよく考える。また、地域保健の立場からも、産業現場の口腔保健は重要である。しかし、「産業歯科」は身近でなく、どこから取り付いてよいか分からない、何をすればよいか分からない、といった意見が出された。診療所の目の前にある大企業で口腔保健メニューを実施するための方策は? 零細企業や商店などへの働きかけは? 地域歯科保健と産業歯科との接点をどのように見出すか?など様々な課題が提示された。それらに関して、会社の状況はそれぞれ違うだろうが、まずは時間をかけて、日々の診療など日常的アプローチの中からチャンスを探していくことが有効だ。また、産業現場で働く人に実施する保健指導の内容や方法などは、普段自分たちが行っている口腔保健指導内容と何ら変わるものでないことなどが報告された。

【感想、川崎大志会とWOHPの今後】
産業歯科保健とは特別な考え方で行わなければならないと考えていた。現場で活躍している産業歯科医の先生から実際の状況が報告され、まだまだWOHPが難しいことが推察される。多くの労働者に対応する産業歯科は、個人では出来ないため川崎大志会会員の総意が必要とされる。特別な考え方でなく、今までWBで学んだ、Health Promotionを確実に理解することが課題となる。われわれもWOHPの考え方を充分に理解し、この新しいシステムの普及に役立つべく切磋琢磨していきたいと考える。
(文責:OP21st. 星岡才賢)

RT1・介護予防の新しい可能性の検討・開業歯科医院でのヘルシーセッテイング

歯科開業医からの、介護予防に関する視点や活動展開の地域との連携をプレゼンという趣旨で発表の機会を得た。先の健康教育学会ではあまり聴衆の興味を引かなかったので、人数が集まるか本当に心配をしたが、10名もの参加者を得て行えて、先ずホッとしました。伝えたり相互協議で違った意見を得たり身近に自由に感じて膨らませてゆける事がRTの醍醐味でもあるからです。

参加者は、歯科学生から、現場で実践している歯科医、行政の歯科医と幅も広く、これからどうした高齢者対策の展開の可能性が、必要性が在るのかを見極めようとする共通意識があったように感じた。私、急に緊張するところがあって、今回もツーっと流れた汗を青いハンカチで拭いたところ、『よっ!ハンカチ王子』とタイミングよく掛け声がかかりました。WBの藤田先生でした。さすがフォローの達人、いつも縁の下の力持ちで朴とつとした雰囲気に助けられます。以後弁舌の調子すこぶる良く、以下の様な事をお伝えしました。

地域開業歯科医院(=他科開業医院)は地域の資源であるという視点を持つ。高齢者にとって生活習慣病等の為、幾度と無く訪れる歯科医院は生活の場と捉えることができる。高齢者問題は如何に老いるか、如何に余生を過ごすか、如何にその終焉を迎えるかであると感じる。歯科医院を地域の資源、高齢者の生活の場とする捉え方は、医療者にとっては治療の補完的要素を持ち、適切なインタビューを行う事にて来院者にとってはスピリチュアルな部分を語る事のできる場となる。相互理解にて、この部分を理解すると、新しい医療の一分野が発生するであろうし、発展的には地域づくりに密接に関連する事と思われる。行政は介護予防(要介護者に陥っていない健康な自活高齢者を維持する事)の手段として箱物は提供しているけれど、参加者が多いわけではない。いろんな技術や、方法の知識は持っていても・・どこか繋がってゆかないところが在る。それは一側面の指導に陥りがちだから。WHOが提唱している、『スピリチュアル』な部分の理解が欠落したまま制度としてあてがっているからである。消化不良や拒否反応が起きている。地域の資源である開業歯科医院は、長い間、来院者と付き合ってきた経緯があり、その生活にまで入り込んでいる部分がある。その時間の経緯の中に、相互理解や協働してきた土壌の上に信頼がある。高齢来院者への仲裁、立案、説得を開業歯科医院が行うことは、介護予防事業に移行できる可能性を持っている。

行政はその性格上、一歯科医院との連携はできないというけれど、先ず双方の活動状況の交歓を、場のセッテイングを行う事も必要でしょう。開業医をそんな方向に促し使う制度をネットワークを作っても行けると思うのですが。それら資源を有効利用する知恵や、協働精神が必要であり、そのための場、空気の設定が望まれる。 『介護は!予防は!知っているけれど。』『介護予防にて、摂食・嚥下しか思い浮かばなかった。』との認識から高齢者対策に一歩踏み出し、皆が自分の、家族の事として考えようとした事は、大きな収穫であった。
 (文責:関西ウェルビーイングクラブ・東海ウェルビーイングクラブ 津田 真)

懇親会の報告(2006.9OPH川崎)

今回のオープンプラットホームin川崎で懇親会の司会を担当した宮治です。準備段階のミーティングでいつのまにか懇親会の司会をやり事になっていました。大学の後輩の吉岡先生から福岡での総会の懇親会の様子を教えていただく際に、「みんな勝手にしゃべり出すからうまくまとめるように」と指示を出され、「そしたら放っておけば勝手に盛り上がるんじゃない?」などと安易な意見を言ったら「それじゃダメ!」「『司会、何とかしろ』って言われるから」と厳しいお言葉を頂き、どうしようかとホンの少しだけ悩んだ挙句、結局「何とかなるっしょ!」と勢いだけで突入してしまいました。
定刻の午後8時を過ぎた時点で、集まりは約半数でしたが、星岡先生の音頭で、先ずは1回目の乾杯。しばし、ご歓談というやはり安易な進行を行うと皆さん、おなかも空いていたようで、何とかこの場は切り抜けました。
9時を過ぎた頃にはほぼ全員がそろい、それぞれ思い思いの話で盛り上がってきたところで、「そろそろ自己紹介を始めようかな」と思っていると「今、雰囲気良いからこのままでいいんじゃない?」との声で、もうしばらく様子を見ることに。20分位して場を見渡してみると盛り上がってはいるけれどもあちこちに話題からあぶれ手持ち無沙汰の方も見られ始めたようなので、「自己紹介」を決行することに。この自己紹介が、淡々と進んだのでは、場がしらけるので、1人1人に質問を受け付けたところ藤田先生が、間髪いれずに1発目の質問をぶつけてくれたおかげで、一気にヒートアップして行きました。最後の方が、自己紹介を終える頃には参加者全員がある種の一体感を持っていることが感じられました。そうこうしている間に時間はあっという間に12時に近づき、そろそろ「閉め」となっても盛り上がりは全く衰えていなかったのですが、閉会となりました。この頃には私も記憶が定かではないのですが、それぞれ帰宅する人、2次会、3次会、聞いた話では朝の4時ごろまで語り合った方もいらしたようです。
以上、懇親会についてご報告しましたが、
良かった点はこの懇親会で、会場が広すぎず、みんなが一体になり、まさに「思い」を共有できたことに尽きると思います。
そして、次の日はいよいよ本番!二日酔いで参加されるメンバーにいかなる運が???
<コメント>
 前日の懇親会からたくさんの方々に参加して頂きました。4時間という時間はあっという間に終わってしまった気がした。翌日のイベントも大事でしたが、実際にはこの場で深い話ができた気がする。前夜祭の盛り上がりが今回は良い形で翌日に繋がった。

開催にあたって(2006.9月OPH川崎)

 2006年度ウェルビーイング総会の前日、プレイベント(注:初回のオープンプラットホームはこの呼び方でした)に参加した。福岡のメンバーだけでなく、多くの地域からの参加があった。最後に参加者の先生方の勉強会の紹介や個人の先生の紹介などがあったが、福岡のメンバー以外は我々には初めて会う方々ばかりの状況であった。川崎大志会は、その中でもできたばかりの会である。古くからある会の皆さんも同じようにいろいろな悩み事を抱えている様子がわかった。我々にとってはすべてが新鮮であるとともに、参加したことが楽しかったのを今でも記憶している。もちろん、懇親会の席や地下室での話でもそうだが、面白かった。というコメントが多く聞こえた。総会のときばかりではもったいない。こんな話の集約が今回のオープンプラットホームイン川崎の開催に繋がった。

 川崎大志会は出来たばかりの勉強会ではあるが、「皆でやってみようか・・」、「失敗しても笑えるよね」、「こんな会だからこそいいのだよ」というメンバーの言葉で開催することになった。会長の不安とは裏腹に、メンバーはやる気満々。いざ準備に取り掛かると、ラウンドテーブルの経験者もいない。何名出席してくれるかもわからない。ウェルビーイングに救いを求めると、多くのヘルプを頂いたが、ちょっとイメージには違いがあったかと思う。それは、学会ではなく、気ままな会の想像とは反して、あまりにも形に捉われた会を開いてしまいそうな雰囲気。そこは我が川崎大志会のメンバーです。私たちのスタイルは崩すことなく進めることができたと感じている。結果として皆さんの手助けを受けながら、充実した会を開催できたと思った。

 このイベントが起爆剤になり全国のウェルビーイング会員の方、そして関わりのある方々が、もっと気軽に接しあえる形で続けられるようにと我々は思う。 (川崎大志会会長 大持充)