RT2・さよなら産業歯科保健;これからはウォープ
さよなら産業歯科保健;これからはウォープ(WOHP: Worksite Oral Health Promotion)
発表者:筒井昭仁先生(福岡歯科大・ウェルビーイング)
ファシリテーター:星岡才賢先生(OP21st.)
【筒井先生の話題提供】
歯科検診のみを重視した従来型の産業歯科保健を否定し、健康増進法に則りHealth Promoteすべく新しい考え方を提唱していただいた。詳細は後日クィントより発表される。
【ディスカッション】
日々の診療で会社勤めの患者さんが多いことから、近隣の会社に口腔保健活動で貢献できることはないかとよく考える。また、地域保健の立場からも、産業現場の口腔保健は重要である。しかし、「産業歯科」は身近でなく、どこから取り付いてよいか分からない、何をすればよいか分からない、といった意見が出された。診療所の目の前にある大企業で口腔保健メニューを実施するための方策は? 零細企業や商店などへの働きかけは? 地域歯科保健と産業歯科との接点をどのように見出すか?など様々な課題が提示された。それらに関して、会社の状況はそれぞれ違うだろうが、まずは時間をかけて、日々の診療など日常的アプローチの中からチャンスを探していくことが有効だ。また、産業現場で働く人に実施する保健指導の内容や方法などは、普段自分たちが行っている口腔保健指導内容と何ら変わるものでないことなどが報告された。
【感想、川崎大志会とWOHPの今後】
産業歯科保健とは特別な考え方で行わなければならないと考えていた。現場で活躍している産業歯科医の先生から実際の状況が報告され、まだまだWOHPが難しいことが推察される。多くの労働者に対応する産業歯科は、個人では出来ないため川崎大志会会員の総意が必要とされる。特別な考え方でなく、今までWBで学んだ、Health Promotionを確実に理解することが課題となる。われわれもWOHPの考え方を充分に理解し、この新しいシステムの普及に役立つべく切磋琢磨していきたいと考える。
(文責:OP21st. 星岡才賢)