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2008年03月23日

RT7一般の歯科開業医に求められる地域での役割

フクハラ歯科では、9月に地域の健康展の1つのブースで「健康から夢を一緒に語りませんか、ドリームカフェ」というテーマでヘルシーセッティングをしました。「医療者自身がどれだけ地域住民になれるか?」という目的を持って、初めてスタッフみんなで地域に出ました。KWCでも地域にでていますが、皆さんがどんな姿勢で地域に出ているのか、また出るといいのかをディスカッションすることが目的で、今回話題提供しました。
まずはじめに自己紹介及び参加理由の共有をし、プレゼンをしながら1-5の順に少しずつディスカッションしていきました。
1.健康とは?
    2.健康づくりに主役はだれ?
    3.地域活動で求められるウエルビーイングを目指すコミュニケーションスキル・マインド
    4.初めて知己に出た事例をもとに、地域活動での学びや気づき
    5.地域に出る目的は?
 さすがウエルビーイングを目指す仲間らしく、健康・ヘルスプロモーションの概念などの共有はスムーズに進みました。議論を深める中で、地域に出ることにこだわるよりも、もう少し視点を変えてみたらいいのではないかという意見がありました。すなわち歯科医院をコミュニティーと考えると、それが1つの地域社会をなし、そのことが地域に取り込まれている、ということではないかという意見でした。
 それでは地域に取り込まれるには、私たちがどのような姿勢で関わる必要があるのでしょうか。このことについては、次のラウンドテーブルセッションに期待したいところであります。
福原早紀(KWC)

RT6 歯科衛生士の過去・現在・未来

 私は8年間、治療中心の医院(今思えばですが・・)で仕事をして、2年前に予防・健康づくりに取り組む今の医院に移り変わりました。今まで衛生士の仕事だと思っていたことが、ちょっと違う事に気付きました。そこで、さまざまな方向性の医院がある中で、DHの方がどのように考え、仕事に取り組んでいるのか・・
今回のラウンドテーブルでは「DHのやりがいとは・・」をテーマにディスカッションを行ないました。
  やりがいについては
・ 「来るのが楽しみ」「気持ちよかった」と言ってもらえた時
・ 学校でDHのやりがいは「患者さんに喜んでもらえる事」と習った
・ やりがいを感じる為に仕事をしてるのか?疑問に思う。強いて言えば毎日楽しく仕事出来る事だと思う
・ 今は解からなくても、振り返った時に気付く
他にもこんな話がでました
・ 学生さんのDHになろうと思ったきっかけは、歯科医院が患者さんの生活の一部になってほしいと思った
・ 「なんでここまで放っておいたの?」と思う患者さんに出会った時、どの時点で介入すれば良かったのか?疑問に思った。そして、やっぱり地域に出ないといけないなと思った
・ 子育てする中で、今まで指導してきた事がお母さんにとってすごく迷惑だった事に気づいた。
・ 医院の方向性もあるが、自分がどうありたいのか、価値観に沿って継続することが大切。
 衛生士学校の学生からDH暦16年、それ以上の方、子育てされている方、様々な経験をお持ちのDHの方々が集まってくださり、たくさんの思いが共有されました。

黒豆 貴代美

RT5 臨床予防歯科を再考する

 2007年2月に行われたオープンプラットホームin福岡をきっかけに6月にはKWC特別講演会「臨床予防歯科のこれから」、.10月には口腔衛生学会自由集会と幾度となく討論を行ってきた。今回は目的を明確にし、今後どんな活動していけばいいのかをプログラムマネージメントモデルであるOPPAモデルを活用して話し合った。
まず、一番上の Objectiveにあたる部分、すなわち「これからの臨床予防歯科が目指す目的」は自由集会で出た結論である「地域に一番近い立場である開業医は、地域住民の健康づくりのサポートをするべきである」というところから始めた。
 これを実現するための課題として、いくつかのプログラム(課題)および、それを実現するためのプロジェクトを挙げた。
 まずは「住民が望む歯科の保健機能を知る」という課題がある。ニーズ調査(質的な調査、量的なアンケートなど)を行いたい。
それを元に、我々が目指す地域活動も含めた新予防歯科のモデル構築を行う。これは自由集会でも問題点として挙がった、「地域に出る方法、ノウハウをもっと蓄積してのシステムづくりを多くの歯科医で共有したい」ということを解決すべく、既に地域保健を実践している開業医の先生方のバリエーションを調査し、類型化作業などにより、コンテンツのモデル構築をしようということである。これにより院内のマネジメント法も明確になれば、ある程度の一般化したモデルが完成し、普及できると考える。また、この作業により今まで曖昧だった「予防歯科」という言葉の定義づけもでき、方法論が明確になるのではないかと思っている。
その他出た意見では「仲間づくり」「連携」「議論できる場」のカテゴリーがあり、これらはこの事業を推進できるための影響要因として捉えていきたい。
NPO法人ウェルビーイング      藤田 孝一

RT4歯科医師会

『川崎大志会~川崎市歯科医師会川崎区支部の協働推進事業に携わって』
久保田賢一
 今回、OP in 大阪に参加する前に、参加者(小林支部長、金井専務、久保田副支部長)で協働推進事業も含めた地域の活動を行うにあたっての今後の課題について意見を出し合い、それを2×2表で集約しました。その結果、①仲間を増やし、人材を育成したい、②事業に広がりが欲しいが優先すべき課題であることが抽出されました。そのコンセプトを下図に示します。
ophkansai.jpg
 川崎区支部の地域に対する活動は、地域子育て支援センターにおける啓発及び相談事業を平成18年度より始まり、今年度も継続して行っています。来年度は区福祉センターと協働して、今までより拡大した事業案を提出しました。(承認されるかどうかは分かりませんが)
 RTにおいて、この図が提示され、議論が始まりました。仲間作りは、大切なことであるが、色々な場で地道に唱道しながら、少しずつ増やすしかない。事業に広がりを望むには、事業を策定する場に住民が参加できていないことが問題ではないかとの結論でありました。
我々とファシリテータ以外でこのテーブルに参加して下さったのは、1名の歯科医師の方だけだったのが少々残念でした。しかし、それはそれでより深く議論することができ、お互いの悩み事が共有できたのではないかと思いました。とても楽しい時間でした。

RT3 診療室での高齢者の予防歯科のシステムの構築について

 NPO法人ウェルビーイングでは、診療室での予防システムとして高齢者(概ね60歳以上)の予防システムを構築したいと考えています。健常な高齢者を歯科領域からサポートしていく場合、口腔内だけに注目するのではなく生活に着目することが必要、心のあり方(well-being)にも注目することが必要なことを学び、生活と心のあり方の把握できる質問紙を開発。福岡のWB会員の診療室に来院された55歳以上の115名に質問紙調査と口腔内診査を実施しました。来年はこの結果をふまえて、来院者以外にも対象者を拡げ、広域で調査を行い、高齢者の口腔の健康およびwell-beingと定期来院を含む歯科受診との関係を明らかにしたいと考えています。さらに、歯科を受診した後期高齢者に聞き取り調査を実施し、定期健診に必要なサポートの内容を検討したいと考えています。
今回のオープンプラットホームでは、まず開発した質問紙を実際に体験してもらい、その後アンケートの結果を考察、今後質問紙の質問項目についてディスカッションし意見をもらいました。

1.もっと歯科に関わることを質問項目にいれる
見かけきになりませんか?食べられますか?笑えますか?歌えますか?
口臭は気になりませんか?食事が楽しくできますか?
2.コニュニケーションについて聞く
家族と一緒に食事をしていますか?一緒に食事をする仲間がいますか?
治療だけでなく何でも相談できるかかりつけ歯科医をもっていますか?

NPO法人ウェルビーイング  松岡 奈保子

RT2 ホームレス支援活動

 大阪市のホームレス生活者数は「全国調査」(03)によると6603名であった。07年の調査では38%減で4069名であったが、長期化、高齢化とが目立っている。彼らの多くは釜ヶ崎という日雇い労働者の町で働いてきたが、高齢化し、失業し、野宿を強いられた結果である。過半が保険を有していない現状である。ホームレス者の口腔内の状態は、劣悪な状態に置かれている。
 我々が係わる調査によれば、一人平均の喪失歯数、および処置されないまま放置されているう歯の平均本数が顕著に多いことが示された。しかし、喪失、残根による咬合不全は「義歯」の作成により回復されることも提示された。
 05年10月に、複数団体の呼びかけの医療・法律・生活相談で歯科相談を担当し、以降各所で、医科と共に歯科相談を継続している。「支援統一行動」で実施した歯科相談で、意見書を発行し、何らかの形で過半が歯科治療にかかわりを持つ結果を得た。歯科治療では現在福祉行政では、野宿での医療扶助単給は原則認めておらず、意見書が、治療につながる上で重要な鍵となっていることが判明した。多くの歯科関係者が、ホームレス者のように、医療から疎外された対象者への感心を持っていただきたいと望んでいます。

医療法人南労会松浦診療所歯科・歯科保健研究会 渡邉 充春

RT1子育て支援

 子育て支援のテーブルは 歯科衛生士さんや、企業の方、大学教授、開業医の先生などの参加でした。子育て支援に関心を持ち参加した方が多く、中には独身で子育てを知らないので興味があり参加した、という方もいました。
 中谷さんからは子育て支援の意義を中心に発表がありました。子育て現場の現状は、少子化や不登校・いじめ・子どもが巻き込まれる犯罪の多発など子どもを取り巻く環境の悪化、虐待など子育ての問題が山積しています。それらを解決するために10年ほど前から、子育て支援というテーマがクローズアップされています。しかし現在も根本的な解決に至っていないのが現状という内容でした。

 そして解決方法のひとつとして、阿倍野区の「こももネット」の実践例を中谷さんが、次いで西淀川区の「心の子育てネット にしよどがわ」の実践例を原が発表しました。双方とも子育てを支援できる資源(KWCのような専門性をもったNPOなど)や行政、地域などと子育て中の親子がネットワークを作ることが子育て現場の問題解決となり、コミュニティづくりにつながるという提言をしました。

 参加したみなさんからは、活動内容に関する質問や感想が活発に交わされ、NPOやボランティア活動を継続するための財政問題の議論も交わされました。異業種、団体が同じテーブルでテーマを共有すると思いがけない意見がでたり共感も生まれたりで、発表した私達も大変勉強になり励まされました。このような場を作ってくださったKWCのみなさんありがとうございました。

原 博美

感想その2

久野先生を囲んでファシリテーターの松岡先生、学生3名、歯科医師4名、保健師1名で自己紹介からラウンドテーブルが始まった。
食育とは?マナーやカロリー、偏食等いろいろな考え方がある。
久野先生の食育とは子どもの感性を育てるものだと、感性とは例えば絵本の中にでてくる
野菜を育て、食べてみて、色、形、硬さ、臭いなど感じること、そこから旬の物で季節が感じたり、命の大切さ、食べる楽しさなどがわかってくるとの事でした。
ワークシート形式のマニュアルを作ったのは現場の人が一番子どものことをわかっている事とそして地域によって差があり取り組み方が違ってくる。
評価方法は結果がすぐには出ないので難しいとおしゃってましたが、子どもが感じていることが表現できいていることもひとつの評価という意見もありました。
最後に大変楽しく、勉強になり自分が園医をしているとこにも話してみたいと思います。
主役は子ども!


川崎大志会 吉岡 慎太郎

感想

~いろいろな考え・立場に触れる~そのタイトルのとおり、いろいろな考え・立場の方がたくさん集まり「夕方の部」「夜の部」「深夜の部」と楽しくて素敵な時間を過ごさせて頂きました。

「夕方の部」では、ちょっとまじめにトークセッション。3人の先生方の話しを分からないながらも「へぇ~!この先生はこの言葉をこういう風にお話しされる方なんだ!」とか「世の中に広まっていることと、本当の姿はちょっと違うところがあるのかな?」など、新たな『気づき』や『キーワード』をもらいながら話しを聞いていました。

「夜の部」は3つの円卓に3人の先生方が1人ずつ付かれて、参加者の皆さんはそれぞれ好きなテーブルへ。「初めまして」の人も「お久しぶりです」の人も皆さん楽しそうに「これはどうだ、あれはどうだ」と話しは尽きなかった模様です。

その流れのまま「深夜の部」へ。本当に全員入りきれるのか?!と心配しましたが、なんとか入りました。地下室はみなさん落ち着くのか一番自分の姿を見せていらっしゃったように思います。

個人の感想としては、今回は『エンパワーメント』という言葉に興味惹かれました。4年前に『ヘルスプロモーション』という言葉にあって未だに「こうかな?ああかな?」と自分の中で言葉に出来ていないのですが、今度は『エンパワーメント』。これから、私の中でどうなっていくのかな。

久保田祥子

(夜の部)ヘルスプロモーションとエンパワーメント

メタボリックシンドローム予防優位の世の中で、ヘルスプロモーションという考え方が、勢いがなくなりつつあることは、演者だけでなく、参加者の皆様も、感じておられたようである。

このような状況において、演者が行ったのは、「生活の中から健康を見出し、育てる」という原則的な問題提起である。著者が提案しているWifyも、二次元マップも、この線に沿った問題提起をしている。

著者からの問題提起に対し、「日常の歯科に関する予防活動や臨床の場面において、どのようなことをしたら、ヘルスプロモーションになるのか」という質問をいただいた。「これこそがヘルスプロモーション」という明確な答えを出せれば良いが、そのような答えが存在するのだろうか。繰り返して言ったつもりであるが、「特定の活動を行えば、それがヘルスプロモーション」というような単純な解/答えは存在しない。そうではなく、多様な解が存在する。

結果として、その場が動き、そこの人々の思いと考えが動き、そこから健康に関する捉えなおしや発見が生まれ始めれば、それがヘルスプロモーション、あるいはそれへの第一歩、と言えよう。人々が自分の思いや考えをWifyや二次元マップに書き込み、そこから対話をすることは、場を動かし、思いと考えを動かすための一つの入り口である。場が和み、対話が生まれてくることを、アイスブレーキングと呼ぶなら、それはアイスブレーキングの一型とも言える。しかし、アイスブレーキングと割り切らず、そこで生じ始めたことを、更に育て続けることができるなら、アイスブレーキングはヘルスプロモーションへと進化し始める。

ラウンドテーブルでの自己紹介が続く間に、先月から「予防歯科カフェを開催しています」との発言が現れた。「カフェ」も、単なるアイスブレーキングから一歩踏み込んだ活動と言える。忙しさが増しつつある世の中で、「ゆったりとした対話の場を育てる」活動は、ヘルスプロモーションの母体としても期待される。メタボリックシンドロームのブームに流されないためには、「メタボリックシンドローム・カフェ」というのも有りかもしれない。何かを始めてみたい、という期待が高まりつつ、ランドテーブルが終了した。

(夜の部)医療制度改革について

 医療制度に関するお話で、やや現実的な(ある意味で厭な)お話であったためか、テーブルへの参加人数は少なかった。ただ、いろいろ変化してきた医療制度が『医療費を減らそう!』ということでは首尾一貫しているものの、中身的にはそれなりにバランスを考えてなされてきたのだ、という説明には納得せざるを得なかった。
 佐野先生も、『健康日本21はまだ残って生きているし、このおかげで減らされそうになった福祉政策が復活した、という例もあるんですよ』とも言っておられた。

1.経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005~「小さくて効率的な政府」の実現に向けて~(平成17年6月21日閣議決定)
2.医療制度改革試案(平成17年10月19日 厚生労働省)
3.医療制度改革大綱(平成17年12月1日 政府・与党医療改革協議会)
4.医療制度改革大綱による改革の基本的考え方(平成18年1月31日 厚生労働省)
5.経済財政改革の基本方針2007~「美しい国」へのシナリオ~(平成19年6月19日閣議決定)

(夜の部)食育の取り組み

 表記の内容についての話題提供に基づいて、歯科医師、保健師、学生さんなど計9名+松岡先生でラウンドテーブルを行いました。それぞれが自己紹介とこのテーブルについた理由を話したのち、食育についての思いを話し合いました。私が印象に残ったのは次の2つです。

1.「食育は生活の中で」についてのコメント
 私は、食育では個人の生活を豊かにするためのものだと考えています。食事そのものだけでなく、食べている気持ちや周りの様子を大事にしたいと思っています。ところが、栄養士が行う栄養の話というと皿の上の料理であったり、さらにひどいときには食品の中に含まれている栄養素のことであったりすることがあるので、なんとかしたいなあと考えています。歯科医師の先生から「歯科医師は、口の中だけを見ていて口を持っている人間そのものを見ていないことがある」というご指摘をいただき、専門職となるとつい人間やその人の生活を忘れてしまう危険性をはらんでいるという共通点を見出しました。

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2.幼児の食育は感性を育てよう
 私は、幼児の食育においては感性を育てることが大事だと考えています。この例として、「ぐりとぐら」の絵本を保育室で話題になっているとき、実際に卵がたっぷりのケーキがおやつとして登場すると、絵本の中のケーキが突然匂いや味をもった実際のものになり、触った感じや食べた感じなど五感が総動員されるようになることだと説明しました。この説明について、「生みたての卵の温かかさも感性ですね」と共感していただけたことがうれしかったです。幼児は、このような「感じたこと」を言葉で表現する力はまだ十分でないかもしれませんが、「感じる心」を育てたいと思っています。

西九州大学健康福祉学部 健康栄養学科 久野一恵

(夕方の部)ヘルスプロモーションとエンパワーメント

発表者 守山 正樹 先生(福岡大学医学部公衆衛生学教室)
報告者 山本和宏(NPO法人ウェルビーイング)

エンパワーメントの概念を突き詰めて行くと、「パワーレスな状態の認識と、そこからの脱出あるいは解放」、「自分の中にパワーの源泉があることを自覚する」、「身近な社会、人との触れ合いから、さらにパワーを得て、変化して行く」といった事がみえてくる。また、オタワ宣言からはヘルスプロモーションに関して、「健康は、毎日の生活から生成される」、「健康は、人と人が触れ合う場から生まれてくる」といったことが読み取れる。自分の内部から、日々の生活の中から、エンパワーメントやヘルスプロモーションが生まれてくるのであれば、生活を解体・再構成し、新たに再創造してみよう。ということで、実際試してみた「Wify」、「食のマップ」、「生活マップ」の紹介がありました。また、学生に対して行っている「感覚障害の疑似体験にみる解体と再構成の試み」も受講者の反応を含めて紹介されました。

(夕方の部)医療制度改革について

発表者 佐野 正 先生(福岡県保健福祉部健康対策課)
報告者 山本和宏(NPO法人ウェルビーイング)

小さくて効率的な政府の実現に向けて、と題して医療制度改革についてお話がありました。現制度の持続可能性を確保するためには、過大な伸びの抑制策が必要になってくる。超高齢化社会にあっては、社会保障制度が持続可能であることは国民生活にとって不可欠である。そのためには、日本の経済規模とその動向に留意しなければならないと同時に、過大・不必要な伸びを具体的に厳しく抑制しなければならない。この観点から、「定期的にその達成状況をあらゆる観点から検証した上で、達成のための必要な措置を講ずる」、「これまでの施策の効果を検証しつつ、総合的に直ちに取り組む」、「保険給付の内容について、相当性・妥当性などの観点から幅広く検討を行う」、といった取り組みを行うこととしている。

(夕方の部)食育の取り組み・報告—幼保施設における食育の計画作成マニュアル作成を通して—

発表者 久野 一恵 先生(西九州大学健康福祉学部)
報告者 山本和宏(NPO法人ウェルビーイング)

子どもたちが豊かな人間性を育み、生きる力を身につけるために「食」はきわめて重要です。佐賀県では保育園・幼稚園のための「食育の計画」作成マニュアルを作成しました。今回は、そのマニュアルを実際に記入してもらったワークシート結果を紹介しながらのお話でした。
「食育は単に食事を食べることを指すのではなく、生活の基礎になるものだから、保育の計画にしっかり位置づけられるべきである。また、食育を特別なイベントとして捉えるのではなく、日常の生活に組み込んで欲しい。」といった思いが伝わる内容でした。
最後に、「食育」が、担当者だけでなく施設のすべてのスタッフや保護者を巻き込んだ“動き”になることを期待されていました。