« (夜の部)医療制度改革について | メイン | 感想 »

(夜の部)ヘルスプロモーションとエンパワーメント

メタボリックシンドローム予防優位の世の中で、ヘルスプロモーションという考え方が、勢いがなくなりつつあることは、演者だけでなく、参加者の皆様も、感じておられたようである。

このような状況において、演者が行ったのは、「生活の中から健康を見出し、育てる」という原則的な問題提起である。著者が提案しているWifyも、二次元マップも、この線に沿った問題提起をしている。

著者からの問題提起に対し、「日常の歯科に関する予防活動や臨床の場面において、どのようなことをしたら、ヘルスプロモーションになるのか」という質問をいただいた。「これこそがヘルスプロモーション」という明確な答えを出せれば良いが、そのような答えが存在するのだろうか。繰り返して言ったつもりであるが、「特定の活動を行えば、それがヘルスプロモーション」というような単純な解/答えは存在しない。そうではなく、多様な解が存在する。

結果として、その場が動き、そこの人々の思いと考えが動き、そこから健康に関する捉えなおしや発見が生まれ始めれば、それがヘルスプロモーション、あるいはそれへの第一歩、と言えよう。人々が自分の思いや考えをWifyや二次元マップに書き込み、そこから対話をすることは、場を動かし、思いと考えを動かすための一つの入り口である。場が和み、対話が生まれてくることを、アイスブレーキングと呼ぶなら、それはアイスブレーキングの一型とも言える。しかし、アイスブレーキングと割り切らず、そこで生じ始めたことを、更に育て続けることができるなら、アイスブレーキングはヘルスプロモーションへと進化し始める。

ラウンドテーブルでの自己紹介が続く間に、先月から「予防歯科カフェを開催しています」との発言が現れた。「カフェ」も、単なるアイスブレーキングから一歩踏み込んだ活動と言える。忙しさが増しつつある世の中で、「ゆったりとした対話の場を育てる」活動は、ヘルスプロモーションの母体としても期待される。メタボリックシンドロームのブームに流されないためには、「メタボリックシンドローム・カフェ」というのも有りかもしれない。何かを始めてみたい、という期待が高まりつつ、ランドテーブルが終了した。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.well-being.or.jp/weblog/mt-tb.cgi/458

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)