2010.6.19自由集会「ヘルスプロモーションのナラティブ・アプローチ」の報告
こんにちは。いわいです。
2010年6月19-20日に京都大学で開催された日本健康教育学会で
自由集会「ヘルスプロモーションのナラティブ・アプローチ」を行いました。
今回は、自由集会の簡単なご報告です。
日時:2010年6月19日(土) 19:00-21:00
場所:京大会館1F 102号室
参加者:28名
1.流れ
1)守山先生による問題提起
医療における2つの考え方として、
Evidence-Based Medicine(EBM)とNarrative-based Medicine(NBM)がある。
EBMは全ての患者に有効とは言えず、患者の価値観や意向も大事となる。
そんな中、EBMを実践してきた英国の開業医から「語る」ことの大切さ、NBMが出てきた。
海外や日本で、インターネットを通して、
医療について医者、患者が語る取り組みが行われている。
ヘルスプロモーションにおいても、
Evidence-based Health Promotion(EBHP)と
Narrative-based Health Promotion(NBHP)の2つの考え方がある。
日本のヘルスプロモーションの取り組みとして
健康日本21では、両方の考え方が入っていたが、
特定保健指導の流れなどからだんだんとNBHPが抜け落ち始めている。
しかし、ヘルスプロモーションの基本となる「Advocate, Enable, Mediate」には
語る要素が必要不可欠である。
そこで、今回、ヘルスプロモーションを語る取り組みを始めた。
まずは、入り口として、NPO法人ウェルビーイングの歯科医師の先生に語ってもらった。
手順としては、
「あなたの歯科医療を語るときに重要な言葉は何でしょうか?
思い浮かぶ言葉を挙げてください」というところからスタートし、
その後、それらの言葉をカードにし、2次元のマップを使って、
優先順位をつけ、いつも思い浮かべるか・ときどき思い浮かべるかを考え、配置してもらった。
その後、マップについて語ってもらい、VTRを撮影した。
2)「語り」のVTRを見る
NPO法人ウェルビーイングの松岡先生、西本先生が、
歯科医療について語ったVTRを見てもらい、松岡先生からコメントをいただいた。
3)マップの作成
参加者に2次元マップの作成シートを配布し、
自分の2次元マップを作成してもらった。
マップ作成後は、
いろいろな職種の人と交流できるように、グループ分けを行い、
マップを見ながら対話をしてもらった。
途中、みんなの前に感想を語る場面ももうけ、交流を進めた。
感想
最後に参加者の感想を一部ご紹介します。
・ 自分をふり返るよい機会になりました。ありがとうございました。
・ 多くの皆さんの当たり前だけれどもバリエーションの豊かさが見聞きできたこと。
同じ仕事を同じ職場でしていたとして全く違う次元を生きている。
それを日頃感じることは少なく、
あるいはかくされているのかしれないものを知れてよかった。
・ ナラティブ・アプローチ少しわかった気がします。
・ 自分自身のウェルビーイング、他人のウェルビーイングについて詳しく知ることができた
・ いろいろ語って楽しめました。みなさんと共有しあうことの大切さを感じました
・ 他の人の語りから、自分の気づきが得られた事
・ いろいろな職種の方の価値観や考え方に触れることができよかったです。