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フォーカス・グループ・インタビュー
 (Focus Group Interview)とは?

<活動のベースになった考え方>

 1995年時点では、日本でPRECEDE-PROCEEDモデルを利用した地域はなかったため、マニュアルもなく手探りの状態で社会診断を行いました。そのため、社会診断のための手法を確立できていませんでした。しかし、6年のときを経た現在では、試行錯誤を経てフォーカス・グループ・インタビュー(以下、FGI)という手法にめぐり合うことができました。このFGIという手法は、従来マーケティングの顧客ニーズを探るために開発されてきた手法です。以下、その概略、方法などを示します。

FGIとは

 「あるひとつのテーマに向けた焦点を絞り込まれた非常に組織化された集団討議である」と定義されています。しかし、この定義ではFGIがどのようなものかぴんとこないため、私たちが、FGIについて説明するときは、「組織化された井戸端会議」と言うことがあります。井戸端会議のような気楽な気分で参加者に率直な意見を出していただくのですが、話は焦点の絞ったある一定の方向性のある(組織化された)話の進み方をしていくように司会者がコントロールして聞き出すため、このように説明しています。

FGIの特徴

人選と人数:
・グループは特定のテーマに対して自分の意見を出すことができる人たちから構成される。
・ グループの人数は6人から12人で同じような属性の人たちを選ぶようにとマニュアルには示されています。しかし、日本人の場合12名では多すぎて緊張して話をしにくくなるため、8名くらいが話をしやすいようです。
・ グループの選定は無作為ではなく有意標本抽出を行います。

司会者に要求されることと雰囲気づくり:
・ よくトレーニングされた司会者によってなごやかで自由な雰囲気の中で進められます。
・ 司会者は仮説と質問を事前に準備しておき、参加者の反応を引き出します。
・ 時間は1時間半から2時間としています。時間配分は、最初の20分でウォーミングアップ、1時間インタビュー、最後の10分要約としています。

FGIの目的:

・ 結論を出したり、決定をすることが目的ではありません。
・ 質的な情報を収集するのが目的(定性調査)であり量的な情報を集めるのが目的ではありません。

FGIの概要

以下にまとめます
目 的 質的な情報を収集する(定性調査)
人 選 グループは特定のテーマに対して自分の意見を出すことができる人たちを選定。そのため、グループの選定は無作為ではなく有意標本抽出を行う。
人 数 グループの人数は6〜12名と言われている。しかし、日本人の場合シャイな人が多いので、8名くらいで行う方が良い。
時 間 時間は1時間半くらい。時間配分は、最初の20分でウォーミングアップ、1時間インタビュー、最後の10分要約で行う。
事前に行うこと ・ FGIの目的、目標、期待される効果などの明確化
・ 司会者の決定
・ 企画書、司会者の手引きの作成
・ 必要と想定されるフォーカスグループの数と参加者の決定
・ 場所を選定
会場準備 ・ 話し合いの内容を録音するため、部屋の反響の具合や周囲の環境を事前に確認しておく。
・ 録音機器は花などで見えないようにしておく。
・ 遠くから見えるように参加者用の大きな名札を用意しておき、あらかじめ席は決めておく。
司会のポイント ・ 率直な意見を活発に出してもらうには堅苦しい挨拶などは省き、普段の雰囲気のままインタビューに入れるような工夫が大事。
・ はじめに話し合うテーマを明確にして参加者に伝えます。このことが話が横道にそれるのを防ぐ。
・ 時々合いの手を入れたりして、発言者にこちらが傾聴している姿勢を伝え積極的な発言を促す
・ 発言された内容を整理して投げ返ようにして、今なにについて話し合っているのかをみんなに常に認識してもらい「話の垣根」を作るよう心がける
・ 話が垣根から大きくはずれだしたら発言している人の呼吸をよく見てタイミング良く話に割り込み垣根の中に話を戻す
・ 行政に対する批判がでても言い訳をしない。せっかくいい意見が出そうになっているのを妨げる結果になる。
得られた情報の整理の仕方 ○インタビュー中にすること
・ インタビュー時にメモと録音をとります。
○インタビュー終了後すること
・ メモを参考に録音のテープをおこしPCに入力。
・ 入力文章をよく眺め光る言葉をピックアップします。
・ KJ法のように各回答をカードにしてまとめていく。
・ ピックアップされた言葉をMIDORIモデルの各ボックスに落とし込む。

その他、以下のような手法もありますので、状況に応じて選択します。
・ デルファイ法
・ ノミナル・グループ・メソッド


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