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ボタン 基本的な考え方

ここでは、私たちが地域で健康づくりやまちづくりに取り組むときの大切にしている基本となる考え方をご紹介します。

 OPPAモデル
NPO法人ウェルビーイングでは、1993年以来,LW Greenの直接の指導も受けながら健康づくり,さらにはその先のQOLの向上を目指すPrecede-Proceed modelを地域での歯科保健や健康づくりの支援活動に使ってきました。現場で利用する際には,実情に合わせていろんな工夫を行っています。例えば,住民参加をすべてのプロセスに入れるなどです。その結果,大枠も細部もいろんなところでPrecede-Proceed modelから少しずつはずれていき,結果として,独自のモデルOPPA(オーパ)モデルへと昇華していきました。

OPPAモデルは基本的には地域における住民参加のモデルとして利用していますが、複雑に絡まった糸を解きほぐし,切れた糸を繋ぎ,間違って結ばれたいとを切っては正しいものと結びつけるといった手法は他の場面にも応用可能です。
実際、NPO法人ウェルビーイングでは法人そのものの運営に利用しています。また理事や会員のなかには、自分の院内のマネジメントに使って,成果を上げている事例があります。


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モデルの構造
OPPAモデルは図1,表1に示すモデルです。ちなみにOPPAモデルのOPPAは,Phase 1〜4のObjectives,Program,Project,Actionの各頭文字をとって名づけました。

Phase 1の「目指す姿の共有」から始まり,Phase 2「健康課題を明らかにする」,Phase 3「ライフスタイルの優先順位付け」,Phase 4「活動計画づくり」へと順に診断を行います。次いでPhase 5「実行し評価する」ことになります。

図1 OPPAモデル
OPPAモデルの図


表1 OPPAモデルの階層とその内容

階 層

名 前

内 容

説 明

Phase 1

Objectives

目指す姿

計画のゴールである「目指す姿」を思い描き,みんなで共有する。

Phase 2

Program

健康課題を明らかにする

地域での健康課題を明らかし、目標値を設定する。

Phase 3

Project

ライフスタイルの優先順位付けをする

健康課題に影響を与えるライフスタイルの中から最も取り組みやすく効果の高いライフスタイルを選択する。

Phase 4

Action

活動計画づくり

各ライフスタイルについて,具体的な活動計画を作成する

Phase 5

Implementation & Evaluation

実行し,評価する

活動計画に則って実行する。途中で

  • プロセス評価
  • 影響評価
  • 結果評価

を行い,修正しながら,課題解決や医院の理念に近づけていく。


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モデルの特徴
OPPAモデルは、以下のような長所をもっています。

  1. シンプルでわかりやすいプロセス
  2. 短期間で活動計画をつくることができる
  3. 計画から実施へスムーズに移行できる
  4. 計画づくりから活動実施へ至るプロセスでつねに目的を見失わないようなっている
  5. 部分的に使うことができる

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参考文献&研修会のお知らせ
  1. もっと詳しく知りたい方は以下の文献をお読み下さい。

    • 中村譲治、岩井梢.MIDORIモデルからOPPAモデルへ−プログラム・マネージメントを活用した新しいモデル開発の試み−.ヘルスサイエンス・ヘルスケア.1(3);24:29:2003.
    • NPO法人ウェルビーイング編「楽しくできる予防歯科」(医歯薬出版)のp.88-90をお読みください。
  2. OPPAモデルの研修会を実施しています。ぜひご受講下さい。

    プログラムマネジメント研修会—OPPAモデルの活用

    研修会のブログ




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